まさに「欅の魅力を凝縮した一枚」と呼ぶにふさわしい、希少価値の高い欅(ケヤキ)一枚板。
今回の納品先は、住所非公開・完全紹介予約制の和食店。東京のデザイナー様よりご依頼をいただき、店内の新装に合わせて、全長5m超という圧巻のスケールを誇る共木のカウンター材を製作・納品させていただきました。

共木で揃えた存在感ある一枚板カウンター
共木(ともぎ)とは、同じ丸太から切り出された材のこと。
今回は一本の欅丸太から、長さ5メートルを超える二枚の板を贅沢に使用し、継ぎ目の少ないフラットなカウンターを実現しました。
和の空間に調和する自然のフォルム
両耳(側面)を活かしたナチュラルな仕上がりは、シンプルながらも圧倒的な存在感。
緩やかな曲線と自然なうねりが、まるで水の流れのように滑らかで、空間全体にやさしいリズムを与えます。
欅ならではの“杢”が際立つ奇跡の材
虎杢(とらもく)
光の当たり方によって縞模様が浮かび上がる虎杢。
今回の一枚板では、表面に力強く現れた虎杢が特に美しく、視線を引き込むようなインパクトを持っています。

縮杢(ちぢみもく)
木の繊維が波打つように縮れた縮杢も随所に見られます。
柔らかな光沢と凹凸感が高級感を生み出し、木目が立体的に浮かび上がって見えるため、見る角度によって多彩な表情を楽しめます。

玉杢(たまもく)
玉杢は、成長途中に生じた瘤(こぶ)などに由来する希少な杢目。
今回の材では特に末広がりの先端部分に美しく現れており、芸術性の高さを感じさせます。

落ち着いた照明と調和するケヤキの艶
カウンター背後に設けられたキッチンとの距離感も絶妙。
落ち着いた間接照明が欅の艶を引き立て、上質で温かみのある雰囲気を演出しています。
店内は全体的にミニマルな設計ですが、その中心に据えられた欅のカウンターが圧倒的な存在感を放ち、まさに「和食と自然美の融合」といった空間に仕上がりました。

施工における工夫とこだわり
製作段階では、5m超という長さを活かしつつも設置搬入に支障のないよう、中央に分割を入れ、専用のジョイントでつなぎ合わせる加工を施しました。
高精度な接合技術により、目立つ継ぎ目がなく一体感のある仕上がりとなっています。

厚み・反り・割れなど一枚板特有の個性を最大限に活かしつつ、実用面でもストレスのない形に調整。デザイナー様・施主様ともに高い評価をいただきました。

天然木の管理・お手入れについて
天然木の一枚板は、湿度や気温によって若干の動き(膨張・収縮)があります。
以下の記事では、そんな一枚板との上手な付き合い方をご紹介しています。
まとめ|ケヤキの美とクラフトマンシップの融合
希少な虎杢・縮杢・玉杢が同時に現れた奇跡の一枚。
それを活かしたクラフトマンシップ、そして完全紹介制という特別な空間との融合により、今回も記憶に残る納品となりました。
「本物の木の美しさを届けたい」という想いを、これからも一枚一枚に込めて。
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